こんにちは。サービス事務の安髙です(^^♪

先日、お客様を北越谷駅までお送りした際に、元荒川の河川敷の桜堤がピンクに色づいていることに気が付きました(*^_^*)もうこんな時期なんだなぁ、、、と思いながら、また数日後に通ってみると、ほとんど満開になっていました\(^o^)/ 新型ウイルス報道に不安が募る毎日ですが、そんな中でも綺麗に咲き誇る桜を見ていると、日本は大丈夫だ!と元気をもらえます(^^) この深刻な状況が一日も早く収束し、穏やかな日常が戻ってくることを切に願っています。皆さんも、万全の予防をなさってお過ごし下さいね。

さて、今回の不定期日記は番外編です(*^^)vご紹介するのはBMWでは無く、日産スカイラインR32型のGT-Rです!

こちらはメカニックの石井さんの愛車で、この度、定番のタービンブロー(EX側のセラミックブレードの破損)によるエンジンブローとなり、以前乗っていたR32GT-Rのエンジンをオーバーホールして載せ換えをすることになりました。

今回の作業は、仕事としてではなく石井さんの完全なプライベート作業になります。つたえファクトリーグループのMドリーム内で、夜な夜な仕事帰りに進めていました(; ・`д・´)

一部の写真しかありませんが、マニアックな情報も混ぜながら、石井さん目線でご紹介していきたいと思います♪

それでは石井さん、どうぞ(^^)/

まずはこちら、以前乗っていた車両のエンジンRB26DETTです!これをオーバーホールしていきます。前の車は事故により廃車になりましたが、エンジンだけは降ろして、いつか次の車に載せ換えようと自宅の和室に大事に保管しておりました(笑)

このエンジンを見て、あれっ?と思ったあなた、マニアですね(笑)そうなんですこのゴールドのヘッドカバー、R34GT-Rのニュル(限定車)のエンジンなんです!シリンダーブロックが通常と異なり24Uなんですよ!標準ブロックの05Uに比べ強度が高く、馬力を上げていったときに起こるブロックの割れ(クラック)の対策がされています。今このシリンダーブロックを購入すると、ブロック単品で50万円くらい?(05Uブロックの3倍)したかと思います。

これが以前使っていたR34のN1タービンです!HKSの強化アクチュエーター付き!!

R32純正タービンより一回り大きくて、ブースト1.3キロでMAX500馬力くらい狙えるんじゃないでしょうか?また、EX側がセラミックブレードではなくメタルブレードの為、安心してブーストを上げられます!ボールベアリングタービンなので、割と低回転から回ってくれる印象です。

とりあえずエンジンを降ろしたところの写真です。いきなりエンジン降りてますが、ここまでで結構時間かかってます。GT-Rは四駆なので、ドライブシャフトを外したり、トランスファー一体の重たいミッションを降ろしたりと、結構大変です。ミッションやエンジンは一人作業が危険なので、ここは2級整備士で元つたえのスタッフの奥さんにも手伝ってもらいました!心強い味方です。

エンジンが降りたので、車両側はしばらく放置になります。

新旧エンジンです。移植する部品もあるので、確認しながら進めていきます。一つ一つ部品の状態を確認し、不具合がないかチェックします。

外した元エンジンのシリンダーヘッドです。スラッジもなく、とても綺麗な状態でした。ちなみにオイル交換は3000キロごとに行っていました。ターボ車なので、3000~5000キロくらいでオイル交換をしていると綺麗な状態を維持できるんじゃないかと思います。

ヘッドはポートの段付きを取る為、ガスケットに合わせて軽くポート研磨します。

エンジンは吸入、圧縮、燃焼、排気の4工程ありますが、このすべてをバランス良くしていくことにより性能を上げることができます。今のBMWでは、性能が高すぎて後から手を加えるところがほとんどありません。今回、私がやっているのは30年前のエンジン、手を加えられるところがたくさんあります。今「つたえ」でも若い子が3級整備士取得に向け頑張っていますが、車に興味を持ち、自分の愛車を弄り倒すのが一番の近道なんじゃないかなって最近思います。こういう車遊びも楽しいと思うんだけどなぁ(笑)

そしてこちらがN1ピストンです!重量もある程度揃っているものが組み付けられているので、重量合わせはせずにそのまま組み付けます。ピストンリングは消耗品なので交換します。ちなみに、標準のピストンはリングの厚さが1.5ミリで、N1ピストンは1.2ミリになっています。フリクション(摩擦抵抗)の低減や、セカンドランド(ピストンリングの間隔)の容積を増やすことにより高回転時のフラッタリング(ブローバイガス圧振動)防止、またシリンダーとの接触面圧が上がるので燃焼時のガス抜けの防止にもなります。

やっとピストンまで組めました!エンジンオーバーホールは測定がたくさんあって、かなり時間がかかる作業です。ほとんどが部品の洗浄と測定の時間ではないでしょうか。今回は予算の都合上、クランクメタルの一部を新品にして他は「あたり」がいいのでそのまま組み上げます。これで腰下は組み付け終了。ヘッドに移ります。

ヘッドガスケットは東名のメタルガスケットを使用し、安心してブーストを上げられるようにします!(笑)

ガスケット選びは、悩みました。なぜ悩むかと言うと、ガスケットの厚さによりエンジン圧縮比の変更ができ、馬力を上げる事ができるからです。今回は、馬力アップよりも耐久性を取り1.2ミリを選びました。馬力を上げるにはリスクを伴うということです。ハイ!

ポート研磨にバルブ擦り合わせと、ちょーめんどくさいインナーシムのシム調整(HKSのカム入れるのでちゃんと頑張りました)などなど苦労して組んだヘッドが、やっと腰下と合体です。ヘッドボルトの締め付けはキモの部分!失敗したくないので、ここでも最強のパートナー奥さんにエンジンを押さえてもらって確実に締め付けました。(BMWでも度々登場する角度締めです)そして、せっかくなのでニスモの強化タイミングベルトを使用してこちらも耐久性アップです。この辺りは純正でもいいんですが、たまたま持っていたので使っていきます。(笑)

吸気側と排気側、補器類があらかた組み付け終わりました。

ここばかりは「全集中!」なんせ吸気側はホース類がたくさんあり、ごちゃごちゃしていて大変なんです。というのも、サージタンクを外さないと何も手を出せないくらいホース類が詰まっています。車両に載ってる状態では触りたくないですし、そもそもそのサージタンクを外す事自体かなり面倒くさいのでなおさら真剣に組み付けました。

そしてGT-Rでは定番のマニホールドのガスケット抜けなんてのが、絶対起こらないように、ここにも東名のマニホールド用メタルガスケットを使用しています。

いよいよ終盤戦です。ニスモの軽量フライホイールを付け、ニスモのシングル強化クラッチを組んでエンジン本体が完成です!

ちなみに、この写真を見て私の車が後期型だ!と思ったあなた!マニアですね(笑)

そうですクラッチがプル式なんです。前期だとプッシュ式です。クラッチを切るときに押すタイプなのか、引くタイプなのかの違いなのですが、プル式の方がテコの原理をより合理的に使えミッションのセンター出しも正確という利点があります。最近の高出力エンジンではプル式が当たり前ですが、当時では(平成2年GT-Rデビュー)まだプル式は一般的では無かったのでGT-Rでは後期がプル式になっています。ちなみにこのプル式の方がクラッチ自体も軽く操作できる様になります。ここは確実にBMW同様に進化している部分ですね。

最後に、ブレーキとクラッチのマスターシリンダーをオーバーホールし、燃料フィルターも新品にしました。
あとは、出来上がったエンジンを車に戻してあげれば終了です。
でも、次はいつできるのかなぁ、、、

 

ハイ!番外編、いかがでしたでしょうか?(^O^)

こんな重整備を仕事終わりの疲れた身体で夜な夜な進めていたなんて、、、石井さんのGT-R愛がひしひしと伝わってきますね(´;ω;`) BMW専門店で長年働きながら、大学時代から全くブレないGT-R愛、見習いたいところです。私は入社1年であっさりBMWに染まってしまいました(笑)石井さんはR32型のGT-Rを3台乗り継いできているそうですが、実は私もカブリオレを購入する前は、同じ車を3台乗り継いでいました。つたえファクトリーのスタッフは“好き”な人が多いんです(*^^)v

スポーツカーが好きな方は、是非石井さんに声を掛けて下さいね(*^^*) きっと目を輝かせながらマニアックなお話をしてくれると思います(●^o^●)

 

余談ですが、前回触れていた3級ガソリン整備士登録試験が無事に終了しました\(^o^)/ まだ結果は出ていませんが、手応えはバッチリです(^^)v 学んだことを実務に活かし、皆さんのお役に立てるよう精一杯頑張りますので、これからも宜しくお願い致します(*^_^*)

 

それではまた次回、お会いしましょう!