オーバーヒートによりエンジンヘッドが歪んでしまった、E36 318isのエンジンヘッドのオーバーホールについて紹介します。

オーバーヒートということで入庫されたため、燃焼室の圧縮値を計測しエンジンにダメージを受けていないか確認します。

オーバーヒートによる熱膨張変形は見た目では判断できませんので、ヘッドとブロックの接合面にある燃焼室の圧縮測定を行います。

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圧力が規定値である12キロまで上がらないため、残念ながら今回はエンジンがダメージを受けている(変形している)ことが確認されました。

オーバーヒートによるダメージ度合いを確認するため、エンジンを分解して各々のパーツを細かくチェックしていきます。

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この車両は入庫段階でエンジンオイルに水が混ざってしまっている状態でした。

ブロック面とヘッド面の間にはヘッドガスケットが組み込まれています。

このガスケットにより冷却水やオイル、燃焼圧力の気密を保っているのですが、ヘッドが歪んでしまうとガスケット抜けを起こしてしまいます。

見た目問題ないように見えても、オイルに水が混ざってしまったり、燃焼ガスが冷却水やオイルの通路に吹き抜けたりする症状はガスケット抜けが疑われます。

この車両は幸運にも、ピストンやシリンダーに問題は確認されなかったため、ガスケット交換及びエンジンヘッド接合面の研磨での修復を試みることとなりました。

ヘッド自体も面研するため下の写真のように徹底的に分解します。

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今回の車両は、オーバーヒートによる変形が軽度なものであったため、なんとか研磨で修理することができました。

しかし、今回の車両のようにすべて研磨で対応できる訳ではありません。

オーバーヒートによる変形が重度なものであれば、当然のごとく研磨レベルでは修復できません。

その場合は、最悪のシナリオであるエンジン交換を余儀なくされます。

BMWに限ったことではありませんが、冷却水が漏れている場合は当然ですが、普通に走行していて水温計の針がいつもよりも赤色側に振れるようであればすぐにエンジンを止めるようにしてください。

オーバーヒートになってしまうと今回のような大掛かりな修理になってしまう可能性があります。

BMWのエンジンは丈夫であるため、日頃のメンテナンスさえ怠らなければ10万、20万キロ走ってもエンジン自体が壊れることはほとんどありません。

BMWは日本車では考えられないパーツが消耗品扱いされていますが、骨格がしっかりしているため定期的なメンテナンスでそれらを交換してあげることで、

経たりを感じさせない走りを長期に渡って与え続けてくれます。

車は物言わぬ機械ですが、BMWは愛情もって日頃のメンテナンスをしてあげればその愛情にちゃんと答えてくれる車です。

逆に日頃のメンテナンスを怠ればダダもこねる(調子悪くなり故障する)と思いますので、日頃のメンテナンスを怠らないようにしてあげて下さいね。

 

BMWの修理、メンテナンスは是非つたえファクトリーにお任せ下さい、お車で気になる所が有りましたらお気軽にご来店下さい!!