E46 320iのエンジン不調の修理についてご紹介します。
エンジン不調の症状としては、冷間時にだけアイドリングが振れてしまうというもの。
テスター診断で故障ログの有無を含め診断を行ったところ、4番シリンダーのミスファイヤーが確認されました。
故障ログがこの4番シリンダー1つであったため、更に故障個所を絞り込むためイグニッションコイル、インジェクターの順番で正常なシリンダーと入れ替えて症状が移動するか?を確認。
ほとんどのケースでこれで原因個所を絞り込めるのですが、イグニッションコイルやインジェクターを入れ替えても現象が4番シリンダーから変化しない状況です。
当然ですが、これらの検証作業前には吸排気系といった個所の確認も行っており、検証作業も暗礁に乗り上げて行き詰った感じです。
ここまでくると、原因がエンジン内部にある可能性が濃厚となりますが、この先はテスター結果だけに頼れない未知の領域となり、BMW整備で長年培った経験と感に頼る形になるため、ここからがメカニックとしての腕の見せ所とも言えます。
エンジン不調の状況、診断結果からラッシュアジャスターが疑えるためこいつを交換してみることにしました。
ラッシュアジャスターは結構マニアックな部品になると思います。
簡単に説明すると、エンジンのカムシャフトとバルブの間にある部品で、バルブクリアランスを自動で調整するHVAとも言われています。
この説明でなんとなくお分かりかと思いますが、交換作業は結構大変な感じになります。
まず、ヘッドカバーを外します。
ヘッドカバーが外れたらVANOSを外し、カムシャフトも外していきます。
そしてやっとラッシュアジャスターに辿り着けるので交換します。
交換したラッシュアジャスターを見ても見た目では不具合があるか分かりませんね。
今回のエンジン不調の症状は、冷間時のアイドリング不調でエンジンが温まると症状がおさまるというもの。
イグニッションコイルやインジェクターに不具合が無ければ、ラッシュアジャスターが原因であることが濃厚です。
中古で購入された方の場合、ラッシュアジャスター交換は比較的高額な修理となるため、気づいていても修理されていないケースも多いと思います。
エンジンが温まると症状もおさまるということで、故障とは思わずにそういうものだと思っている方も多いのでは無いでしょうか?
もし愛車のBMWに不調を感じられるようであれば、一度BMW専門のメカニックによる点検をお勧めします。
エンジンヘッド内は部品点数も多く、作業には特殊工具も必要です。
BMWの修理、メンテナンスは、BMWを熟知した元正規ディーラーが多数在籍するBMW専門店つたえファクトリーに是非お任せ下さい。
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