「E30の反逆」の第3弾、ジャーマン記事2008年8月の改訂版です。

皆さんこんにちは、梅雨に入り皆さんは如何お過ごしでしょうか?

梅雨時期は私たちも動きが鈍くなってしまい、昼間の作業効率も低下しまいがちです。

そんな中、事務員さんの自前の「冷やしたおしぼり」で気合を入れながら作業に立ち向かっています。

皆さんも、湿度に負けそうなときは是非試してみてください。

暑さでぼんやりした頭に結構効きますよ!!

さて、今回の「E30の反逆」のテーマは「車検準備」です。

とは言え、前回の「現状把握」での結果が比較的良好だったので、思い切ってそのまま車検を通してみることにしました。

結果は・・・見事合格!!

ご覧の通りナンバープレートが付きました!!

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車検には阿部主任に行ってもらったのですが、この暑い中、エアコンが効かない状態で汗だくになりながら行ってくれたことに感謝感謝ですね。

これで同党と、大手を振って公道を乗り回すことができます!!

しかし、車検が通ったからといって、今回のテーマである「安心して乗れる車」としてのお墨付きを得た訳ではありませんので、前回取り寄せた部品交換を順次おこなっていくことにしましょう!!

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まずエンジンの肝である「タイミングベルト」を交換します。

ここが切れてしまうと、給排気バルブを全部曲げてしまう恐れがあります。

1年以上動かしていないエンジンですから、当然ゴムベルトの状態は最悪でしょう。

本当は、車検も交換後に行きたかったのですが、スケジュールの関係上順番が逆になってしまいました。

(大博打に付き合ってくれて、阿部主任には本当に感謝感謝ですね)

「タイミングベルト」と同時にウォーターポンプも交換します。

こちらは構造上、「タイミングベルトテンショナー」の受けになっているので同時交換が望ましいうえ、「サーモハウジング」からの水漏れもあったことから水廻りの見直しにも丁度いい作業と言えます。

ちなみに、「ウォーターポンプ」だけ後で交換となると、特殊工具を使って「タイミングベルト」を固定しなくちゃいけなくなります。

交換する「サーモハウジング」は、対策品に変更されているので形状が少し違いますね。

指で指し示している箇所から水漏れしやすいという事で対策されました。

(このあたりがBMW)

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では交換工程に入っていきましょう。

まず感電しないよう、バッテリーのマイナス端子を外します。

何かの拍子に”ビリビリ”とか、簡便してほしいですからねw

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その後でスーパープラグを外します。

これは、圧縮圧力がかからないようにして、クランクシャフトを回りやすい状態にするためです。

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ファンブレードを外すため、エアクリーナーボックスを外します。

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Vベルト(オルタネーター、エアコン、パワステの3本)と共にファンベルトを外します。

このときにクーラントも抜き始めます。

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ディストリビューターキャップを外し、ついでに電極もヤスリなどで磨いておきます。

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ウォーターポンプ、フロントカバーを外すと、やっと本日の主役である「タイミングベルト」が姿を現します。

次にクランクプーリーを外します。

(国産車と違いボルト6本で取り付けられています)

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クランクシャフトを1番シリンダー圧縮上死点(ピストンが空気圧縮する初期状態位置)に合わせ、「タイミングベルトテンショナー」を緩め「タイミングベルト」を外します。

ウォーターポンプが出てきますので、ボルト3本を外し、ガスケットを剥がせば取り外し作業の完了です。

次は「サーモハウジング」の交換作業です。

その名のとおりサーモスタットが入っている部分なので、まずサーモスタットを外します。

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次にサーもセンサーを外し、インジェクターホルダーも邪魔になるので少し浮かせます。

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ナット2本を取り外し、スタッドボルトからハウジングを抜きます。

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「ウォーターポンプ」「サーモハウジング」共に紙ガスケットを使っているので、エンジン側にちぎれて残っている場合があります。

そのため、既存の紙ガスケットを慎重に剥がしてから、液体ガスケットを薄く塗った紙ガスケットと本体を取り付けます。

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そして主役となる「タイミングベルト」の登場です。

テンショナースプリングをいっぱいに押し下げ、固定しながらコマずれしないように組み付けます。

テンショナーをスプリングの力によって張り付けるのですが、張り過ぎに注意注意してください。

テンショナーを固定すれば、「タイミングベルト」交換作業の終了となります。

折角ここまでバラしたので、タペット調整でエンジンの癖を好みに合わせみましょう!!

BMWは、割りとオーバーラップがきついカムシャフトを使用していますので、1気筒慎重に合わせていきます。

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基準値は0.25mmですが、アイドリングを落ち着かせるためには0.26~0.27mmで合わせる法が振動は抑えられるでしょう。

今回は大人の味付けということで、0.26mmに調整してみました!!

俗に言う「カムに乗る」感じは少し抑え気味な味付けになります。

あとは締め忘れなどを確認しながらの組み付け作業になり、ラジエーターアッパーホースを残しスーパープラグまで取り付けていきます。

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最後にアッパーホースから薄めたクーラント(透き通ってるくらい薄めのほうが良いと思います。データが有るわけでは無いのですが、そのほうが体感的に調子がいい気がします。)を注いでいきます。

アッパーホースから注ぐ理由は、シリンダーブロックに水を行き渡らせやすくするためです。

これから夏を迎えるにあたり、キャンペーン中のワコーズ・クーラントブースターも入れてみました!!

1,000円程度の商品ですが、暑さに弱い旧車にはもてこいのアイテムです!!

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アッパーホースを締め付け、いざエンジン始動!!

メーターの水温計に気を配りながら、ヒーターを全開にしてオーバーヒートしないか様子を見ます。

水温計が安定したところでエンジンを一旦止め、一晩冷やして水の量を確認して作業は終了。

(クーラントブースターについては、走行してからのインプレッションにしましょう)

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これでエンジンの心配な箇所は押さえられましたので、次回からは走りや快適性について見直して行きたいと思います。

次回のテーマは「エアコン修理」です。

夏場における移動サウナ状態を、少しでも解消できるよう改善していきます。

果たして間に合うのだろうか・・・(苦笑)

それでは皆さん、また次回お会いしましょう!!