「E30の反逆」の第4弾、ジャーマン記事2008年9月の改訂版です。

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皆さんこんにちは。

梅雨もあけ、湿度も下がりカラッとした夏到来です。

やはりジメっとした暑さより、カラッとした暑さのほうが身体も心も軽くハイテンションになりますよね!!

カラッと晴れた空の下、海からの潮風なんて浴びた日にはもう最高~って感じでしょう!!

思わず若かりし頃を思い出し、このまま遊びに行きたくなりますよね~。

現実は、時間的にも体力的にも難しいところなんですが・・・

ま、妄想するだけならOKっしょ!!

この勢いでコーナー進めちゃいますね。

今回は「エアコン偏」となります。

まず最初に、クーラーとエアコンの定義について触れておきますね。

エアコンには基本的に、「冷房、除湿、暖房」の機能が備わっています。

これに対し、クーラーには除湿機能がありません。

最近の車は、ほぼ100%がエアコンなので、若い方々はクーラーって何?という人もいるのかな・・・

昔の車の冷暖房機能は、クーラー(冷やす)+ヒーター(暖める)という装備だったんですよねー。

ん?改訂版を書いている私の年齢層がばれてしまう感じですけど・・・

ちなみに年式が1980年代と古いE30ですが、この当事から「エアコン」が装備されていました。

流石ドイツ車と思うかもしれませんが、BMWは本国では何から何までオプション設定なんですよね。

日本では考えられないかもしれませんが、エアコンはもとよりパワーウィンドウといったものまで

オプション設定で、購入する際に”これいる、これいらない・・・”的に選ぶんですよ。

当事の日本仕様は、流石に本国のような細かなオプション設定による販売は非効率なため、皆一様にフル装備のハイバージョン車輌として販売されていました。

何しろ海を渡って船でやってきますから、一人一人あれこれ仕様が違ったりすると大変。

買う側にしても細かく選ぶの大変でしょうし、バブル絶好調な時代背景もあってフル装備で全然問題なかったんでしょう。

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話をエアコンに戻して、エアコンの構成部品と原理を簡単に説明します。

部品構成としては、コンプレッサー、コンデンサー、リキッドタンク、エバポレーター、エキスパンションバルブとこれらを繋ぐホース、パイプ類となります。

これらの中で密閉された配管の中に、冷媒となるガス(R12/R134a)を封入。

冷媒が気化/液化する際の熱交換を利用し、冷たい空気を作り出しています。

エアコン不調の原因は、この冷媒ガスの循環不調であることがほとんど。

冷媒にはオイルを混ぜて構成部品内を循環させているため、一部の不調を放置していると循環サイクル全体に悪影響を及ぼします。

一例を挙げると、ガス漏れを放置していたことで循環サイクルが乱れ、これによるコンプレッサー負荷増加によってコンプレッサーを破損してしまうという事もあります。

ちなみにデモカーのE30は、ガス漏れ等は無かったのですが、あまりにも長く動かしていなかったことと、もともとが古い部品であったことを考慮し、ゴムホース類を中心に対策を練ろうと思います。

今回の交換対象部品を紹介していきます。

①高圧、低圧ホース交換

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予防整備となりますが、ゴム製品であるため交換します。

コンプレッサー近くには、エキゾーストマニホールドがあるため高温になりやすい環境にあります。

経験上、破裂に至ったケースもあるため交換対象に加えました。

ちなみに、E30の後継であるE36以降の車輌では、まず交換の必要はないでしょう。

②リキッドタンク交換

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この部品はオイルフィルターのようなもので、20年もの間未交換である点と防止弁が出てき始めているため交換対象に加えます。

③エキスパンションバルブの清掃(Oリングは交換)

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エバポレーターに直接付いているのでついでに清掃。

部品の値段はそれほど高くありませんが、一度は交換しているので今回はそのまま再利用します。

④エバポレーターの清掃(取り外してOリングは全交換)

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これも20年近く外されていない雰囲気をかもし出している部品ですね・・・

これは外気を通過させなければならない部品で、フィン部位を通過することで冷気にしてくれるので綺麗に掃除します。

今の車のようにマイクロフィルターは装着されていませんので、ホコリ等が付着しているはずです。

また、このエバポレーターは、エアコン稼動中に湿気除去の役割も果たすためフィン部に水分が付着しています。(エアコン稼働中の車輌下から出る水はここから出ています)

フィンに着いた水分が、ここを通過する空気に含まれるゴミやホコリを付着させているのです。

⑤コンデンサー清掃

ラジエーター前面にあるオイルクーラーのようなもので、グリルの裏に見えている部位です。

ここに落ち葉などが入り込むことが多いのですが、フィンを塞いでいることでエアコンの効きに悪影響を与えるため清掃しておきます。

以上が今回の交換対象部品となりますが、劣化が疑える部品は交換し、そうでない部品については20年のアカ落としということで清掃がメインとなります。

 

実際の作業に取り掛かります。

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まず始めに、エアコンガスをガス回収機に繋いで抜きます。

次にコンプレッサー側のホースを2本とも外します。(ダブルナット式なので、両側に工具をかませて作業します。)

このとき、ついでにリキッドタンクも外しておきます。

※. リキッドタンクは前期・後期・レトロフィットキット対応と種類が異なるため、リキッドタンクのプレッシャースイッチ形状を注意して見ておきましょう。

ブロアモーターのあるファイアウォール部を外します。

これは室内のエキスパンションバルブにいっているパイピングが見えるようにするためです。

室内に移り、今度はグローブボックスを外しセンターにあるエアコンユニットの一部を外します。

エバポレーター部のフタを外し、パイピングも外していきます。

次にエキスパンションバルブを外し、エバポレーターをズルズルと抜いていきます。

エバポレーター、エキスパンションバルブを清掃します。

※. 精密部品なので、なるべく柔らかいオイル(コンプレッサーオイル等)で清掃しましょう。

エバポレーターはエアの圧力でゴミを吹き飛ばし、空気がより冷えるようにしておきます。

※. ここは「エアコン」の効き方がものすごく左右される部分なので、エアコンユニット側(車両側)も綺麗に拭き上げておきましょう。

後は綺麗に組み上げ、オイルとガスを注入して完成です。
文面ではここまで書き上げましたが、実は実作業が全然間に合っていません(汗)。

取り外しまでは写真がありますので参考にしてください。

清掃から組み付けについては、別の機会で紹介できればと思っています。

これからも、皆さんのBMWライフをどんどんサポートしていこうと考えておりますので、応援のほどを宜しくお願いします。

では皆さんまた次回お会いしましょう。