皆さんこんにちは、
今回のブログでは、E90のオイルパン修理について紹介させて頂きます。
一般点検で入庫されたE90 320iを点検していた際の事、オイルパンドレンボルトからのオイル滲みを発見したためガスケットの締め付けを確認してみると、何とドレンボルトが舐めてしまっている状態で緩めることも締めることも出来ない状況と判明(;゚Д゚)!!
E90の4気筒エンジンモデルのドレンボルトは、頭のほうのネジ山が切れていないため慣れていないと締め付け過ぎてネジ穴を潰して舐めてしまう可能性があります。
入庫されたE90は、恐らく過去のオイル交換でドレンボルトを締め付けられ過ぎたことが何度かあってこの状況に陥ってしまったものと推測されますが、鉄製のオイルパンは通常このような状況に陥った場合はオイルパンごと交換という事になります。
余談ですが、BMWのオイルパンは昔はアルミ製でした。
アルミの場合は締め過ぎれば割れてしまうのですが、鉄製の場合は金属の特性上歪んでしまいそこからオイル漏れを起こしてしまいます。
E90 320i用のオイルパンはアルミ製だったものほど高くは無いにしても、鉄製なのに部品代だけで63,900円+消費税=69,012円(2016/8現在)ととても高価。
この状況をお客様に伝え相談させていただいた結果、修理できるレベルであればオイルパン交換はせずにドレンネジ穴を修理する方向での作業となりました。
作業の方向性が決まったということで、早速作業に取り掛かります。
ドレンネジ穴を修理する場合でも、オイルパンを外してじゃないと作業出来ません。
という事はオイルを抜かなければならないのですが、ドレンボルトは舐めてしまって外せない状態なので、オイルパンの真下に刺さっているオイルレベルセンサーを引っこ抜いてオイルを抜きます。
オイルが抜けたところで本格的なオイルパン外し作業の開始です。
このオイルパン外しは結構ハードな作業で、このようにエンジンが落ちてこないように吊った状態にしてから邪魔となる下廻りパーツを全て取り外さなければなりません。
下廻りパーツが外れるとこんな感じでオイルパンの全様が顔を出します。
普段はアンダーガードですっぽり隠れているオイルパン・・・真っ黒なので見た目が樹脂素材っぽく見えますが鉄製です。
オイルパンとエンジンを繋いでいるボルトを全て取り外し、オイルパンに付いている補器類も全て取り外します。
オイルパンがエンジンから完全に切り離せたら手前に引くようにしてオイルパンを取り外します。
取り外したオイルパンにはオイルレベルセンサーの取付け穴から抜き切れなかったオイルが底のほうに溜まっているので、残留オイルも抜いたあとにオイルパンを綺麗に洗浄します。
綺麗に洗浄したら舐めてしまっているドレンボルトを引き抜き、リコイルキットというリペアキットを使って補修します。
このリペアキットは通常非貫通のネジ穴用で使用されますが、今回は貫通穴となるドレンネジ穴に使用しました。
どうやったかは・・・企業秘密?ということで(>ω<b!!
実は作業しているところを取材できなかったという落ち・・・とは言えない(―ω―;
補修後にドレンボルトの締まり具合などを確認、トルクレンチによる締め付けで問題ないことが確認できたのでオイルパンを元通りエンジンに組み付けます。
オイルパン修理の際にはプロフィールシーリングが必ず交換となります。
これが取り寄せた新品のプロフィールシーリングで、エンジンとオイルパンの間に挟んでオイルが漏れないようにする所謂ガスケットとなります。
組付け前には他のガスケットと同様に接点を研磨して古いガスケットの残りかすなど除去して隙間が生まれないように処理しておきます。
写真だと分かり難いですが、下から見たシリンダーは新鮮だったりしますね。
この写真はドレンネジ穴の補修が完了し、オイルパンがエンジンに組み付けられた状態のものです。
洗浄して黒い塗装が一部落ちたため、オイルパンが鉄製の金属素材であることが見た目でもよく分かりますね。
後はオイルパン外しのためにバラした全ての下廻りパーツを組み付け、エンジンオイルを入れればオイルパンドレンネジ穴の修理作業は完了となります。
ドレンボルトの締め付け具合の再確認でも問題ありません!!
このあと試運転を行い、ドレンボルトの状態を見て問題が無いことを確認しすべての作業の完了です。
今回は幸いなことにドレンネジ穴は修理可能なレベルでしたので、結果としてオイルパンの部品代を節約できましたが、オイルパン交換をしなくても作業工賃は同じとなります。
今回の状況にいつ何処で陥ったのかは定かではありませんが、たかがオイル交換されどオイル交換!!
こういったトラブルに見舞われないようにするためにもBMW専門店でのオイル交換をお勧めします。
私達は、長く快適なBMWライフを満喫いただくため、トレーニングを受けたメカニックがメンテナンスさせて頂きます。
他店でBMWをご購入された方でも「Tsutae’s Check Up」でBMWの診断をさせて頂きます。
つたえファクトリーでは、法定12ヵ月点検以上にBMW専用の点検項目を設けた「Tsutae’s Check Up」をご提供しております。この点検内容は、「即交換」「早期交換」「予備交換」と3段階に分けた診断書をお渡しし、今後のメンテナンス計画についてコスト面も踏まえながらメンテナンスさせて頂きます。
私達はBMWを身近に感じているパートナーとして、様々なご要望にお応えして参ります。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう!!